天体の撮影条件

2017年12月現在
カメラ C: Canon EOS Kiss X6i (一眼デジカメ) 35mm相当焦点距離最大 (ズーム)18-270 mm.8-16mm(広角)
カメラ L: Panasonic Lumix  DMC-GX7MK2 ミラーレス一眼レフ 焦点距離 14-140 mm
カメラ N: Nikon Coolpix P900 (コンパクトデジカメ) 焦点距離 4.3 -357 mm      

現在使用停止
カメラ S: Sony CyberShot DSC-HX9V (デジカメ) 35mm相当焦点距離最大 384 mm(光学16倍)  
カメラ P: Panasonic DMC-FZ18 (デジカメ) 35mm相当焦点距離最大 504 mm(光学18倍)  
カメラ Panasonic DMC-FX9 (デジカメ)  35mm相当焦点距離最大 105 mm (特に天文写真を意識したわけではない汎用デジカメ) エジプト(2006)で使っただけ.
 
●月や太陽の撮影:レンズは一番大切だが,日本の主要メーカーなら十分なレベルに整えられていると思う .
対象が明るいので,露出にあまり気を使うことはない.太陽のように明るいものはADフィルター等の使用によって減光し適切な状態に整えて使用する.月なら減光装置は不要.
一番大切なのは画像の大きさである.あまり小さくては迫力がない.光学倍率で 35mmで500 mm以上の焦点距離が必要.デジカメのLumix は「星モード」があって一応気を配っているような気はする.もちろん一眼デジカメはデジカメより使い勝手が広いが,焦点距離1,000mmを超えるのでは運搬だけでも大仕事となり,実用的ではない.デジカメで焦点距離1,000mmを超えるカメラも魅力的である(Panasonic Lumix FZ70はどうか).

★ 月
焦点距離が大切.35mm相当で 500mm以上が必要.もちろんレンズの分解能も重要だが,日本の主要メーカー製(もちろんレンズはドイツ製などもあるが吟味してあるのでOK)ならあるレベル以上で満足できるような気がする.三脚は必需品.
満月では、f 8, 1/250秒, ISO-100 が最適条件とのこと。

カメラ Panasonic DMC-FZ18
2010-05-01 三脚 画像サイズ374KB.露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.ISO-100.手持ち不可.デジカメとはいえ焦点距離が504 mm相当(35mm)の長さならばここまで撮れる!


参考: 2013-10-22 SONY サイバーショット DSC-HX300 (光学ズーム倍率 50倍.レンズ焦点距離 最大 215 mm (35mm換算1200mm)) でほぼ同じ形の月を撮った画像が出ていた. 結果は上記よりもくっきりしているが,まあ,同様と思っていい.シャッター速度 1/30秒,絞り F8,  ISO 80, 焦点距離 215 mm(フル).私の愛用機の SONY サイバーショット DSC-HX9では撮ったことがない.


カメラ Canon EOS Kiss X6i
 2012−08−27 837 KB. 1/200 秒 F6.3 ISO 200 あるいは  1/80秒 F6.3 ISO 100も同様.手振れ防止 OFF. 
一眼デジカメの性能に期待したが,270 mmの焦点距離ではここまで.がっくり.
ピント合わせの難しさと,三脚の揺れがありなかなか難しい.



拡大すると


★ 皆既月食
 カメラ Canon EOS Kiss X6i
 2014−10−08 遠景モード 自動設定 0.5秒程度 F6.3 ISO 6400。マニュアル焦点 手振れ防止 OFF. 
焦点距離270 mm。 ピント合わせの難しさと,三脚の揺れがありなかなか難しい.
月球の右手の星は天王星(多分)。もっと焦点距離が長くそれに相応しい会合度を持つカメラがほしい。




金環日食

カメラ Panasonic DMC-FZ18
2012−05−21 日野宅.ISO 200. サイズ 1400KB程度.JPG. 焦点距離 504mm. 露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.雲中撮影.まぶしいので撮影には問題なかった.







★ 皆既日食
■ダイヤモンドリング
カメラ Panasonic DMC-FZ18
2010-07-11 イースター島皆既日食.サイズ 1,643 KB.  焦点距離 348 mm 相当.ISO 100. 露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.
ゴーストが左下にブルーで見えるが月の縁の山が陰影を作っているのがわかる.また,右の雲の中でシャド−マスクが接線方向に走っているのがわかる.アマチュアの写真にシャドーマスクが広く確認されたのはイースター島皆既日食ではないかと言われている.



カメラ C: Canon EOS Kiss X6i
2012-11-14 ケアンズ,オーストラリア.雲中第2接触ダイヤモンドリング
サイズ 1906KB. ISO 500  (100が良かったかもしれない). 露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.




同上.
雲中第3接触ダイヤモンドリング
サイズ 2267KB. ISO 640 (100が良かったかもしれない). 露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.





■コロナ
カメラ Panasonic DMC-FZ18
2010-07-11 イースター島皆既日食.サイズ 2,139 KB.  焦点距離 642 mm 相当.ISO 200. 露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.




カメラ C: Canon EOS Kiss X6i
2012-11-14 ケアンズ,オーストラリア.雲中コロナ.
サイズ 3,591KB. ISO 6400  (さすがに像が粗い.100が良かった). 露光条件は不明だが,オートで撮っていたはず.




初めてのコロナ.
カメラ Panasonic DMC-FX9
2006-03-29 エジプト シャローム.サイズ 2,557 KB.  焦点距離 105 mm 相当.ISO 200. 露光条件は不明だが,オートで撮っていたなず.



● 花火景色
これも全くのビギナーだが,撮影は面白い.
2013-08-24 参照

ビデオも面白い.ここではサイズが大きくなるので載せていない

● 星夜写真・星景写真のカメラセッティング
星夜写真(あるいは星景写真)は全くのビギナーで、初めは ツア‐に参加し冬の大三角形を八ヶ岳の麓で撮ることができた (2013-12-8の項 )。二度目は南天観望でオーストラリアで4夜にわたって撮影した (2015-03-22〜25)。ともに雲台に一眼カメラをセットして一定時間露出するというもっとも単純な方法である。それでもノウハウがあり、メモを残しておくことにした。

1-A. 固定タイプ:三脚‐シネ雲台へのカメラ固定



         通常のセッティング               星夜写真用のセッティング

Aハンドル、Bハンドル、Cストッパー、D:エレベーター(上下)ストッパー、E:シュー固定レバー

Aハンドルとカメラレンズの位置は一直線となるのが通常の撮影である。水平方向の撮影ではこれが自然である。
しかし、これでは天頂方向の撮影をするにはAハンドルが三脚の脚にぶつかってしまう。はじめはこれで苦労した。
★ 星夜写真用のセッティングではレンズをシューの上で180°回転させ天頂方向を向いた時にもハンドルがぶつからないようにセットする。
ハンドルBが右から左手に変わるが、実際の操作で特に困ることはないであろう。
 シネ雲台ではなくボールヘッドの自由雲台もある。


1-B 簡易赤道儀タイプ: Polarie使用

私の購入したVixen 星雲雲台POLARIE は三脚接続の一体型で自由雲台なので,固定型の三脚よりカメラ操作は楽かもしれない.問題は極軸合わせである.目視ではかなりの誤差を生じるし,南天には南極付近には星がない.補助の極軸望遠鏡の使用を後日考える必要があるかもしれない.(未使用)



2.カメラ設定(私のカメラは Canon EOS Kiss X6i)

雲台に載せる前にあらかじめ以下のように設定しておく

本体
@ライブビュー画面にする

Aモードダイヤルを M (マニュアル)にする
    B速度: BULB
         CD絞り: 解放
    DISO: 1600 あるいは 3200.     月が出ているならば 200.現場で試し撮りして最適なISOを決める
    サンプル    F2.8 ISO-3200 30秒露出で星は流れない。ただ、拡大したときのノイズが目立つ。それを避けたければ
              F2.8 ISO-1600 60秒露出は少ないノイズとなるが、星の映像は流れる
Eサイズ:JPG撮影でサイズは最大にする(高画質 画素数18M ファイルサイズ6.4MB)。コンポジットを行うならばRAWを選ぶが、私は特に合成する積りはないのでJPGで最大画素数を選んだ。
Fホワイトバランス:太陽5200K。

交換レンズ
Gレンズ交換:星野写真を撮るには一般に広角レンズが適する.今回は交換レンズ SIGMA 8-16mm 1:4.5-5.6 HSM装着
     Hマニュアルフォーカス(MF)に変更。
     I振動防止(VIC)をはずす


3.ピント設定
これは現場で行う。

ピントを∞に合わせる。(すでに暗いので,手元がはっきりせず,意外と甘くて失敗しやすい)
    J明るい星を視野に入れる
    K拡大ボタン(取説 p.164) で星像を拡大し,シャープな像を結ぶよう焦点距離ダイヤルを調整
    L撮影中に焦点距離調整ボタンに触ることが結構あるのでテープでレンズの周りを固定する。(重要)
     ★ 気が付かず、後日データを整理しているとき大量のぼけ写真を見てがっかりしたことがあるので注意。暗闇の中では焦点距離がずれたことがわからない。時々焦点をチェックするのも重要かもしれないが、暗闇という要素はそれを妨げる方向に向く。


-------- これで撮影できる状態になる -------------------------------------------------------

4.試し撮り
   試し撮りして画面が真っ白なら露出オーバーなのでISOを200程度にしてちょうど良い露出時間を見つける.月が出ているときは明るいのでBULBでなくTvに変更して露出時間をセットして試し撮りを試みる.

5.Timer Remote Switch: 一定時間開放するためには便利で必須

6.暗闇での作業
    ヘッドランプなどの灯をつけずに暗闇で手探りで操作できるようにすること
 ★撮影には暗闇での作業が多い。そのためにヘッドランプが用いられる。赤色灯が用いられる場合も多いが、案外撮影中赤色灯が点灯されていることを忘れてしまうことが多かった。
 カメラ操作でボタンを押すが、天頂付近へ来ると通常とは違う個所にボタンがあり、そのたびにヘッドランプを付けて確認しなくてはならず、時間を消耗した。暗闇での操作には前もってあるいは場数を踏んで慣れが必要とされる。基本的には暗闇で手探りで操作できるようにすることが大事である
 ★Canon EOSの場合,INFOボタンを押してモニター表示を消す(取説 p.51)
 ★Timer Remote Switchは,暗闇では見にくいのでよく慣れておくこと

7.結露
 ★結露はレンズに光を当てればわかるが、暗闇の中で観測を続けているので結露は気づきにくい。その対策として用意してきたホカロンでは防げなかった。レンズ付近にニクロム線をまいて電池で温める道具が商業的に販売されているのでそのようなもので防ぐ必要がある。赤道儀では充電可能なニッカド電池ではなく鉛蓄電池が必要かもしれないほど結露防止は重要なファクターである。
 
8.最後は構図力
 ★星が写ればいいのではなく、見て感激を与える写真を撮らなくてはなくてはならない。アマチュアの写真が専門家の精密なそれと比べらるわけではないので別な観点がらの感動を読者に与える必要がある。結局、撮影時には構図を考える必要がある。しかし、ライブビュー画面では暗くて、そして天頂付近では不十分な情報しかなくて勘で撮影せざるを得なかった。何かいい方法はないか?