研 究 記        退職後 2013.4-

  この項について,最終的には,私のすべての研究論文・研究発表・研究活動についても加える予定である.(2020)

日本大学工学部の客員研究員として若い研究者の仲間に入って研鑽を積みながら,退職後も研究を続けている(2013.4-2020.3)。私の専門分野は,基礎として装置物性と反応工学の二分野があり,その応用として環境化学工学の分野を食い散らかしてきた。したがって,少なくともしばらくは,そのような多分野にわたることになろう。


                                                                                                        Koganei, Hosei University (2013)

区分 ★国内学会発表 ★★国際学会発表 ★★★論文

2013

★ 化学工学会 第78回年会発表 (法政大)西海英雄・吾郷健一・(日大生産工)辻智也,"オレイン酸への水素溶解度の一般化状態式による推算" 2013.3.19 (大阪大学豊中キャンパス) 。本発表は,対応状態原理がオレイン酸のような大きな極性分子にまで適用できるかという疑問から出発したものである。基本物性推算法として有力なJobackの式のうち標準沸点Tbの推算に5-10%程度の誤差があることを克服しようと考えた。その方法としてJobackのグループ寄与法に官能基グループによる成分ファミリー法(Componet Family Method)からの観点でまとめると各ファミリー毎に Tb/TcがTcの関数で相関できることを見出し適用した。その結果,Joback法では,マレイン酸のTb=913 K, Tc=1129 Kと異常に大きな値を得るのに対して,本法ではTb=819.2 K, Tc=662.4 Kを得た。混合物への適用ではmijの値が必要であるが,著者の以前の一般温度相関から0.5低い値で説明できることを見出した。 プレゼン原稿添付

第1回物性と状態方程式に関するシンポジウム(法政大名誉教授)西海英雄,2013.4.30, 日本大学生産工学部"塩効果における塩への溶解度,溶質の配位数".補助金を得るためには近未来的な名称を持ったテーマがもてはやされる.それは基礎的な知識を前提として組み立てられるはずである.しかし,若い研究者には時間の制約に基づく理論的知識の不足が見受けられる.世界の最前線で物性の実験的研究を行う若き研究指導者が理論的かつ実際的な知識を共有することを忘れてもらいたくなく,本シンポジウムを開催することを提案し,辻,児玉先生はそれを快諾された.ルールは1つ,研究者自らが発表することである.当面1年に3回開催する予定である.

★★ 第13回物性国際会議 PPEPPD.Hideo Nishiumi,Ken-ichi Ago,Daisuke Kodama.イグアスの滝 Iguazu Falls, Argentina and Brazil. 2013 May26-30.西海ポスター発表,   abstract および  Fluid Phase Equilibriaへの投稿原稿(掲載決定)"Effectof Solvation with Salting Effect on Solubilities of Fluorpcarbons in Alcohols" 論文参照

★化学工学会 盛岡大会.(法政大)北村研太・泉雅和・半崎就大・西海英雄・森隆昌.2013.8.8-9 岩手大学. フロンのリサイクルプロセスと冷却システムへの応用. ポスター 奨励賞(北村)

第2回物性と状態方程式に関するシンポジウム(法政大名誉教授)西海英雄,2013.8.27, 日本大学工学部"Flow through water bridge"

★化学工学会 第45回秋季大会.(法政大)北村研太・泉雅和・半崎就大・西海英雄・森隆昌.岡山大学津島キャンパス 2013.9.16-18.XF300 北村講演発表.”フロンの新規リサイクルプロセスの開発と冷却システムへの応用" 含塩素フロンはモントリオール条約でその製造と移動が禁止された.しかし,年間100万トン以上の生産によって使われていたため多量にいまだ残っている.これを常温常圧下で第3世代の冷媒であるフルオロエーテルに変化させるプロセスを提案している.本講演ではフロオロエーテルの精製法,爆発性について検討した.

★ 化学工学会 第45回秋季大会.(法政大)西海英雄・関口秀樹・吾郷健一・秋定諒亮.岡山大学津島キャンパス 2013.9.16-18.abstractプレゼン原稿 "成分ファミリー法による相互作用パラメータ相関の簡易化" 無極性物質,あるいは弱極性物質から成る2成分系の異種分子間相互作用は,4種類のファミリー(例えばアルカン類)ごとに臨界体積比Vci/Vcjを与えると定まる.これを一般化BWR式に対して示した.

★★ Second International Conference on Applied Physico-Inorganic Chemistry. Hideo Nishiumi, Fumitaka Honnda, Sevastopol, Crimea,Ukraine. 2013 Sept. 23-26. 西海講演発表."Flow Through Water Bridge"プレゼン原稿 純水を2つのビーカーに入れ鶴口で接触させておく.各ビーカーに電極を入れ,12kV程度の高電圧を掛け,ビーカーを離していくと水の橋water bridgeがかかる.水はミクロ的に束を成し回転しながら一方向に流れることをビデオで示し,その原因について考察した.

★★★ Effect of solvation with salting effect on solubilities of fluorocarbons in alcohols, Hideo Nishiumi, Ken-ichi Ago, Daisuke Kodama, Fluid Phase Equilibria, 362, 187-191 (2014) 論文 電解質(ここではNaOH)を溶媒(ここではアルコール類)に溶かすと溶質(ここではフロン類)の溶解度が減少する.この減少は,分子性溶媒が電解質と配位し,その分溶解に関わらないため溶解度が減少すると考えたシンプルなモデルにより定量的に扱うことができることを示した.

第3回物性と状態方程式に関するシンポジウム(法政大名誉教授)西海英雄,2013.12.6., 日本大学生産工学部"アルコールに溶解するフロンの分解反応―物質移動律速と反応律速―"


2014

★ 化学工学会 第79回年会発表 (法政大)西海英雄・(日大)遠藤 康裕・ 新井 浩也・下村 拓也・児玉 大輔,岐阜大学 2014. 3.18-20,abstract, プレゼン原稿 ”イミダゾリウム系イオン液体-ジグライム混合溶液へのCO 2溶解モデル” 塩析モデルを適用して,イオン液体を添加するとグライム(分子性溶媒)中でのCO2溶解度が減少することを定量的に示した.abstOral原稿

第4回物性と状態方程式に関するシンポジウム(法政大名誉教授)西海英雄,2014.5.14., 日本大学工学部「電解質を添加したときの溶解度モデル」

★第12回超臨界流体ミニワークショップ_中ノ沢温泉、講演「EOSによる高圧物性推算法」(法政大名誉教授)西海英雄, 2014.8.8-10

第5回物性と状態方程式に関するシンポジウム(法政大名誉教授)西海英雄,2014,8,27.,日本大学生産工学部,大きな分子の基本物性推算について」

★ 化学工学会 第46回秋季大会発表. (法政大)西海英雄・(日大)遠藤 康裕・ 新井 浩也・下村 拓也・児玉 大輔,九州大学 伊都キャンパス 2014. 9.17-19,abstract, プレゼン原稿 ”イミダゾリウム系イオン液体-CH3OH混合溶液へのCO2溶解と溶解モデル” 塩析モデルを適用して,イオン液体を添加するとCH3OH中でのCO2溶解度が減少することを定量的に理解できることをモデルで示した.abstOral原稿

2015

★ 化学工学会 第80回年会発表 (法政大)西海英雄, 2015.3.20, 芝浦工業大学, 「大きな分子の基本物性推算」  _abst_2015 と Oral Presentaion_2015
★ 分離技術会 功労賞受賞。分離技術会年会2015。2015.5.28.
★ 分離技術会 功労賞受賞講演。「状態方程式による大きな分子を含む系の熱力学物性の推算法」 2015.5.29発表
          要旨。 
★★ MTMS2015 講演発表 Hideo Nishiumi, 2015.8.4-7, Fukuoka University, Fukuoka, Japan,  Thermodynamic properties prediction of big molecules with equation of state

2016

★★ 第14回物性国際会議 PPEPPD2016  ポスター発表 Hideo Nishiumi, 2016.Port, Poetugal, 2016.5.22-26,
Thermodynamic properties prediction containing unfamiliar or big molecules based on component family method

★ 化学工学会第48回秋季大会.講演発表 (法政大)西海英雄.2016.9.6-8.徳島大学,「改良Joback法による大きな分子の物性推算」

★★★ Hideo Nishiumi, Fluid Phase Equilibria, 420(2016) 1-6,Thermodynamic property prediction for high molecular weight molecules based on their constituent family

2018

分離技術会年会2018. 講演発表 (法政大)西海英雄.2018.5.25-26. 日大生産学部,「構造の複雑な分子を含む系の熱力学物性の推算」

★★ MTMS2018.講演発表.Hideo Nishiumi,2018.9.4-7. 日大生産学部. Solubility Prediction of CO2 in Ionic Liquids

★★★ 西海 英雄,対応状態原理に基づく熱力学物性の推算,分離技術,連載 (1)48,4,273-276(2018), (2)48,340-343(2018),  (3)48,404-410(2018), (4)49,58-63(2019), (5)48-54(2019)

2019

★★ PPEPPD2019 ポスター発表 Hideo Nishiumi, 2019.5.12-16, British Columbia, Vancouver, Canada, Solubility calculation of CO2 in ionic liquids

★★APCChE2019 講演発表. Hideo Nishiumi, Daisuke Kodama, 2019.9.23-27, Conference Center Sapporo, Japan, Prediction of CO2 solubility in ionic liquids using BWR equation of state,