アイダホ皆既日食ツアー
       2017年8月16日~23日

 国際航空旅行サービス㈱ のツアーで8日間にわたるタイトな日程ではあったが内容の濃いツアーに参加しました。
概略は16日に羽田ーLos Angels-Phoenixでバスツアーを開始し、アリゾナ、ユタ、アイダホに至り、皆既日食を観測し、
再びSalt Lake Cityへ戻り Salt Lake City-Los Angels-羽田に23日に到着。 概略図を示します。





1日目(8月16日)

羽田 (15:15)- ロスアンジェルス (DL006)
ロスアンジェルス- フェニックス (DL5781) で同日16:10着。強烈な日差し

これからのツアーに最後まで乗車した観光バス(新車で初めての運行とのこと)でセドナSedona に向かう。
現地添乗員のT.マサ子さんも同乗。彼女はフェニックスに30年近く住んで、アリゾナ大好き人間とのこと。
アリゾナ州は、ほぼ日本の約80%の面積を持つ広大な州である。

巨大なハシラサボテン



何といってもアリゾナはサボテン王国。赤いのはサボテンの実

セドナSedona はパワースポットとして有名だという。山はすべて赤い。すなわち鉄分を多く含むことを示している。
下のBell Rockを見れば一目瞭然である。手をかざすとエネルギーを感じる人がいて、これをボルテックス vortex という。
ガンも治ったとの報告も多い。霊感師もいるとのこと。好意的に考えれば磁性があるということか。
MRIでの検査のほうがはるかに効き目がありそう。


Sedonaのホテルで夕食を取って空を見上げると天の川が見える。
dark sky parkでの星空撮影が予定されているので予行演習で撮って見た。

Canon EOS Kiss X6i  ISO 3200, 15秒、開放。Sigma 広角レンズ DC HSM
露出時間が少なかったので天の川の映りが悪いが、カシオペアからケフェウス座、夏の大三角形を撮影。


日付変更線を超えた長―い一日が終わった。

2日目(8月17日) アリゾナ隕石孔とGrand Canyonの夕日

朝食。ソーセージがおいしかった。

ホテルPocoDiablo Resortの庭はミニゴルフ場。山は赤い。




アリゾナ大隕石孔 Meteor Crater .
      50,000年前、鉄ーニッケル隕石が衝突してできた穴。深さ160m, 孔径1.6 km。学術的な理由で知られたわけでなく
始めは銀鉱山として考えられた。Burringerは鉄鉱石が埋まっていると考え、26年間掘り続けた。底部の白く見えるところが
採掘抗で現在でも掘られている。現在は Meteoer Crater Discovery Centerとして開館されている。



Williams :  こことGrand Canyonを結ぶ観光列車が今も走っている。アメリカ人には懐かしい大陸横断国道
Route 66もここを通っていたのでメインストリートは古き良き時代のアメリカの街並みが再現されている。




Grand Canyon の夕日

南崖 South Rim から北崖 North Rimを望む


今から7000万年前に隆起し、4000万年前にコロラド川による浸食が始まったために現在のGrand Canyonができた。
対岸の北崖の一番上部の平らな石灰岩は2.5億年前隆起した台地で、それより上部の新しい時代の地層は水に侵食されて無い。
したがって恐竜の時代の地層は無く、化石も出ない。13億年あるいは20億年といわれる地層が見えている。
最近下の洞窟から43億年前の地層が見つかったとマサ子さんは述べていた。



El Tover Hotel

3日目(8月18日) グランドキャニオンの朝・パウエル湖・アンテロ-プキャニオン・モニュメントバレ-・Dark Sky Parkでの星空


グランドキャニオン展望台の東の端 desert point からはコロラド川が見える


鷲が上昇気流に乗って舞う



バスはコロラド川を遡る。



Grand Canyonの東端の人造湖 Powel 湖。西端のホーバーダムと比べて新しい。
水力発電を行っている。それだけでは不足らしく三本煙突の火力発電所も近くにある。
今はむしろモーターボート ハーバーの基地といった感じ。


地平線中央が3本煙突の火力発電所。



3本煙突のそばにナバホインディアン居留地内の観光地 アンテロープキャニオンがある。
観光客は軍のお下がりトラックでキャニオンに向かう。
まるで捕虜収容所に向かうように見えるが、そうではない。キャニオン内では細かい砂が降ってくるのでマスクをしている。


アンテロープキャニオン Antelope Canyonはナバホ族の羊飼いの少女が見つけたことにより命名された。upperとlowerがあり我々は upper canyonを行った。砂岩の大地を鉄砲水がえぐり、強風が流れて風紋を刻む。地上までは10m以上はある狭いスロットを行く。真上から太陽の光が注ぐときは細かい砂が太陽に照らされbeamという色のついた様子を見ることができるそうである。







モニュメントバレー Monument Valley

ジョン フォード監督、ジョン ウエイン、,「駅馬車」と並べれば、西部劇であるが、その舞台としてあまりにも有名。
モニュメントバレーからアリゾナ州からユタ州へと入る。ユタ州は日本の約60%の面積を持つ。


私の脳裏にはないが、「捜索者」の一場面で有名な場所。手前はナバホインディアンの村落。
















ひたすら荒れ地を進んで泊ったモーテルが "Desert Rose Inn & Cabins"。食事をしてから再びバスへ。
Dark sky parkへ向かう。予定より遠く、撮影時間は40分で、アーチを背景にした星空までは撮れなかったが、
北天を巡る天の川を存分眺めることができた。

露出時間が15秒と少なくて天の川を撮るには失敗したが、いて座、さそり座方向はさすがに密度が高く,
何とか天の川を含めて撮影できた。上部はわし座。右は蛇使い座。撮影のためあと1時間は欲しかった。



4日目(8月19日)  ユタ州縦断。ソルトレイクシティ Salt Lake City見物

約1,000 kmの道をひたすら走る長い一日で、途中 Salt Lake City をちょっと見物した。
ユタ州を縦断し、アイダホ州の田舎町 Heiley に泊まる。
アメリカ大陸は実に大きい、それを体感させられたバスツアーであった。


たかが ソフトドリンクの販売機にこの物々しさ。アメリカの一面であろう。


Salt Lake City: モルモン教の施設





5日目(8月20日)  観測地下見
 20日、21日と ハイレイ Heiley に泊まる
観測地の牧場までロッキー山脈の前山を2時間余り登る。
下見の帰り、月面 Craters of the Moon National Monuments という溶岩流の原を見た。
この辺りかっては25もの火山が爆発したそうで、これもその一つで Silent Coneなる火山
の北壁が壊れ溶岩が流出。鬼押し出しと同じ様子を示している。





6日目(8月21日)  観測  May Family Ranch

ここに旅行社の複数のコースの観測者230人が集まり観測した。






Familyの人たちも日食観測

皆既日食

皆既前の太陽には中央と左下に黒点が見られます(写真1)。




月は右斜め上から入ってきて1時間近くして太陽を覆います。
木の葉は太陽に対してピンホールになるような作用して通常は円の木漏れ日を作ります。
日食中は欠けていく太陽の光による木漏れ日は円から欠けた影を壁に映します(写真2)。




月が太陽の前に入り太陽面をすべて覆う寸前、月の山の間から最後の太陽光の輝きが
ダイヤモンドのように輝きます(第2接触)。太陽の周囲とダイヤモンドの周りはまるで
ゴールデンの金属を溶かしたような金属光の輝きが瞬時見られ、それは荘厳な光景です。
とてもカメラでは実感をとらえられません。私は肉眼で観察しました。

そして皆既となり、太陽径の数倍にわたるコロナの光芒が肉眼では見られます。
しかし写真ではその一部しか見られません(写真3)。
露出時間を変えた写真を何枚も撮り重ねるなど工夫して人間の目に近い感じをとらえる工夫がなされつつあります。
全くの皆既は11時半ごろ2分間ちょっとでした。



そして今度は太陽面右上に再びダイヤモンドリング(第3接触)が見られます。
第3接触の3枚の写真(写真4,5,6)を添付しました。最後の写真では太陽の赤い炎(フレア)ははっきりと見えます。







7-8日目(8月22-23日)

帰途は日食を見に来たキャンピングカーによる渋滞で、予定より4時間遅れでSalt Lake City
のホテルに 0 時過ぎに着いた 。仮眠して3時には起きて帰国のため空港に向かった。