今宮神社 (京都市紫野)

 平安京は,建都以来疫病の流行に悩まされ,これを鎮めるために祇園社などで御霊会(ごりょうえ)が盛んに行われたが,今宮社の紫野御霊会も青の一つである.994年当社地の疫神を2基の神輿に込めて船岡山に安置し祈った.このとき,京中の老若男女は綾傘に風流を施し囃子に合わせて唄い踊り,病魔の寄れる人形(ひとがた)を難波江に流したといわれる.これが「やすらい祭」であり,京の三奇祭の一つである.現在は,4月第2日曜日に行われている.氏子の家の前で若い鬼たちが鐘を鳴らしながら踊り,後ろを花傘が行く.真っ赤な着物や花笠で疫神(えきじん)を誘い,若宮神社に収めて疫病を鎮める.祇園祭が祇園の町衆によって運営されていると同じように,やすらい祭は西陣の町衆によって行われている「西陣の祭」である. 京都市北区紫野今宮町21


         



柱に「やすらい祭」の看板が掲げられている.

由来.

祭神

【本社】

中御座 大己貴命(おおなむちのみこと)
東御座 事代主命(ことしろぬしのみこと)
西御座 奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)

【摂社】

疫 社 素盞鳴命(すさのをのみこと)

 八社: 大国社・蛯子社・八幡社・熱田社・住吉社・香取社・鏡作社・諏訪社の八社を祀った細長い社がある.
大将軍社:牛頭天王を八王子(スサノオノミコトの5男3女
宗像社: スサノオノミコトの十握剣(とつかのつるぎ)から生まれた宗像三女神を祀る
全て出雲系の神々をまつる.






人形(ひとがた) ここに蘇民将来が記されている.一応,蘇民将来,スサノオノミコト,牛頭天王と疫病退散のセットが揃った.



若宮社:加茂斎院(天皇の代理として一代ごとに一人,未婚の内親王を斎王と定められ,祭りごとを行った.





阿呆賢さん



鯰の台石
宗像社の台石に長さ60cmほどの鯰の彫り物がある.この社は俗に「弁天さん」と呼ばれ,鯰はその神の使者として彫られたものと言われている.













門前名物 あぶり餅.かざり屋,一和の2軒で出す名物.親指大のお餅に黄な粉をまぶしてから,炭火であぶり,甘辛い白みそだれをたっぷりからませたもの.