「蘇民将来」は,木を六角形,あるいは八角形に刻んだお守りで,北は,岩手の黒石寺から南は京都の八坂神社まで見ることができる.1981年8月の家族旅行の途中,上田信濃国分寺で蘇民将来のポスターを見つけ,蒙古のパオを連想させるその異国的な形に興味を引かれた.10年後の1993年1月7日,信濃国分寺「八日堂縁日」で遂に蘇民将来のお守りを手に入れた.縁日への道は雪が道路沿いに積まれた底冷えのする夜であった.「蘇民将来子孫之也大福長者」と六角柱の各面には2文字ずつ記されている.一体,「蘇」の「民」の「将来」とは何なのか?
それを契機として,蘇民将来と関係のある神社仏閣を訪れるようになった.結果,京都八坂神社あるいは愛知津島神社を基点とした渡来民の軌跡が蘇民将来であると考えるようになり,さらには古代大和朝廷の発展に貢献した渡来民の活躍に興味を持つようになった.時代でいえば百済,高句麗が滅び大量の難民が日本に渡来した7,8世紀が主舞台ということになろうか.蘇民将来は民間信仰と考えられる.しかし,全く歴史に関する門外漢なので,それ以上進めることができなく,コレクターとして蘇民将来に関係するものを集めながら,小さな発見や疑問を持ちながら過ごしている.
感染症の日本史 2020-5-17朝日新聞
蘇民将来札 長岡京跡出土(8世紀末)
蘇民将来 各論
★備後風土記: 蘇民将来‐スサノオノミコト‐牛頭天王
★神社の見方
★神仏分離令による牛頭天王の消滅
★蘇民将来に関する文献・資料
茅の輪(くぐり) (このほか東京山王日枝神社参照)
入間竹寺 日光二荒山神社
◇ 東大寺でも茅の輪くぐりは行われるが,解除会(げじょえ)と呼ばれる.出仕する僧侶が直径2mあまりの大きな茅の輪をくぐり,疫病を防ぐ法要が始まる.そのあと.一般人も茅の輪をくぐって参詣できる.通常は一日であるが,2020年のコロナウイルスでは,約1月にわたって行われた.
★京都八坂神社-1 祭神と蘇民将来護符
★京都八坂神社-2 祇園と祇園祭
★ 日野八坂神社
★津島神社-1 津島神社
★津島神社-2 天王公園
★津島神社-3 津島街中
★青梅福島屋の津島神社札
★上田信濃国分寺
★入間竹寺
★米沢笹野観音
★水沢黒石寺とその周辺の蘇民祭
★ 水沢胡四王神社
★ 岩泉牛頭天王神社
★蘇民の森 松下社 (伊勢)
★京都今宮神社
★東京山王日枝神社 (茅の輪くぐり)
★東小金井の蘇民将来
★別所神社 (上田)
★広がり:
現代では,お菓子を入れた籠とか,酒瓶まで広く使われている.
これは,長野県丸子町の信州銘醸の陶器の酒瓶720ml瓶で,周囲に「蘇民将来酒徒善人大福長者」と記されている