はじめに

蘇民将来- 古代史 -狩猟時代探訪

★ 2020年コロナウイルス禍は世界中を混乱と不安の渦に巻き込んでいます.1500年前から同じことで感染病(疫病)は人々から恐れられていました.「蘇民将来」は,木を六角形,あるいは八角形に刻んだお守りで,疫病を司る武塔の神を恐れ敬ったものと考えられます.北は,岩手の黒石寺から南は京都の八坂神社まで見ることができる.写真に示した信州上田国分寺の蘇民将来には「蘇民将来子孫之也大福長者」と六角柱の各面には2文字ずつ記されている.一体,「蘇」の「民」の「将来」とは何なのか? 

★ PC-VAN (1994): 1993年より1年間余り,蘇民将来に呼ばれるようにしていくつもの神社仏閣を訪れる機会を得た.当時は現在のような自由な インターネットの発達はなく,商業ネットワークの1つであるPC-VANのREKISI (歴史)フォーラムに見聞記を投稿した.1994年3月 それらのフォーラム記事を個人的に小冊子としてまとめた

古代史さらに,その背景となる大和朝廷建国の古代史に目を向けることとなった.それは渡来民族の力を利用して大和朝廷は権力を得,渡来民族は中央権力を利用しながら勢力を各地に特に東に広げたからと考えられる.蘇民将来を祭る神社はその集団の軌跡を見せている.

 狩猟時代旧石器時代から縄文時代の人々は狩猟民族である.石器よりも鋭い刃物となる黒曜石は道具の革新技術の一つであり,日本では,蓼科周辺,あるいは北海道に良質の黒曜石を産する.日本での先民族(?)は少なくとも2万数千年前には存在していたといわれる.人類が経験した最新の氷河期は1万3000年前に終わった.氷河時代の過酷な寒冷な時代を狩猟民族として生き延びた人々は,その狩猟の道具として石器あるいは黒曜石を用いたことは遺跡からの出土品に示されている.一方,縄文時代中期として知られている今より5000年前からの1000年間は,蓼科より南の八ヶ岳西方に広がる原野は大変栄えた.遺跡からは狩猟民として必須の道具として石器のほか,黒曜石が大量に出土する.

蘇民将来
PC-VAN(1994)
古代史探訪
狩猟時代
講 演
お問い合わせ: 西海 英雄  (monta@nishilab.jp)