2. フロン類のアルコールへの溶解度と溶解速度

★ 1.で述べた脱塩素法では、吹き込んだフロン気体はアルコールに溶けてから反応を行います。したがって、反応速度を決めるひとつの要因は、フロンのアルコールへの溶解速度(物質移動速度)と溶解度です。いずれも物質プロセス工学で学習したので覚えている方もいるでしょう。

★ 溶解度: これまでにフロン類のアルコールへの溶解度は、当研究室で測定しました。この2成分系溶解度は、Henryの式で整理することができました。ところが、反応液にはさらにNaOHが溶けていて、これがフロン溶解度を減少させることがわかってきました。すなわち、3成分系の気液平衡になるわけです。これは、物質プロセス工学では液液平衡の三角線図で表現することを学びました。しかし、ここで興味のあるのは、フロンの溶解度ですので狭い範囲では2成分系同様Henryの法則で記述できると考え実験を行いました。


NaOHのHCFC22のメタノールへの溶解度に与える影響(予稿集2ページ)


NaOHのCFC12のメタノールへの溶解度に与える影響(Power Pointによる発表)

★溶解速度: 総括物質移動係数KLと比表面積a積を容量係数といいますが、この影響をHCFC22の分解反応で調べました。

Can.J.Chem.Eng..pdf へのリンク(英文)